Web担当者が知っておくべき 4つの手法から学ぶ、これからのマルチデバイス最適化

スマートフォンに最適化されたサイトの必要性

PCファーストからスマホファーストへ

数年前からモバイルユーザー数は増加をたどり、企業ではWebサイトのモバイル対応が必要不可欠になりました。

多くの企業がその対策として、今あるPCサイトをモバイルでも閲覧できるようにするための対応を進めてきました(PCファースト)。

これに対し、モバイルユーザーにとって本当に必要な情報や機能は何なのか、単に見た目や情報量をリサイズするだけでなく、コンテンツ自体をモバイルにフォーカスして構築すべきだというところから、「モバイルファースト」「コンテンツファースト」という考え方が生まれました。

さらにここ1〜2年のスマートフォンの普及により、スマートフォン向けのサイトを一番に捉えるという新しい考え方、「スマホファースト」が生まれました。

PCサイトよりもスマートフォンサイトを先行して開発するという発想は、IT関連やBtoCサイトなどで取り入れる企業が増えています。

中にはフィーチャーフォン(従来の携帯電話)は切り捨てるという、思い切った決断をする企業も出てきました。

スマートフォンの現状

ここまでスマートフォンサイトが重要視されている理由はもちろん、スマートフォンユーザーの爆発的な増加です。

総務省が高校1年生を対象に行ったアンケートでは、インターネットに最もよく利用する機器の1位はスマートフォンで75%

2位のPCはわずか7%、フィーチャーフォンはそれをさらに下回る6%という結果でした。

全国の世帯に対して行った利用調査では、スマートフォンのネット利用が最も多いのは20〜29歳で、70.6%に達しています。

●インターネットに接続する際、最もよく利用する機器(択一回答)

グラフ図

[出展:総務省 平成25年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等]

●インターネットの世代別個人利用の状況(世代別人口普及率)

グラフ図

[出展:総務省 平成24年通信利用動向調査]

また、これまではデバイス別のユーザー層・ターゲット層の違いが指摘されてきましたが、現在は同一ユーザーが複数のデバイスを使い分ける状況へと変化しています。

かつては外出先でモバイルから情報収集を行い、家のPCから問い合わせや買い物をするという流れが主流と考えられていましたが、最近では家にいてもPCは使わず、スマートフォンで情報収集からコンバージョンまで完了するシーンが増えてきています。

スマートフォンユーザーの3人に2人がマルチデバイス利用を希望

アンケート結果

[出展:株式会社D2C マルチデバイス利用動向調査(2013年5月)]
  • インターネット上のサービスやWEBサイトは、
    パソコン、スマートフォン、タブレット端末それぞれに使いやすく最適化してほしい … 69.3%
  • パソコンでは見られて、スマートフォンやタブレット端末では見られない情報があるのは不満だ … 65.5%
  • 利用シーンや目的によって、
    パソコンやスマートフォンやタブレット端末をうまく使い分けていきたい … 64.0%
  • インターネット上のサービスやWEBサイトは、
    パソコンだけでなく、スマートフォン、タブレット端末など様々な機器で利用したい … 63.8%

スマートフォンユーザーの69%が、Webサイトはそれぞれの機器に使いやすく最適化してほしいと希望しています。 

しかしこの状況に対し、企業におけるWebサイトのスマートフォン対応はまだまだ進んでいません。

Google社、スマホ対応が不適切なサイトの検索順位引き下げを発表

スマートフォンサイトの重要性が高まる中、Googleがスマートフォン向けサイトでミスがある場合、順位を下げるという発表を行いました。

Googleのランキングに影響する、スマートフォンサイトによく見られる誤った設定について、簡単に解説します。

× 間違ったリダイレクト

PC向けサイトのページにアクセスしたスマホユーザーを、別のスマホ向けページにリダイレクトさせているケースです。

商品や時刻表などを調べていたのに、検索結果ではなく検索のトップページに飛ばされてしまうような場合です。

ユーザーが最終的に探していたページにたどり着けるように設定しなければいけません。

× アプリダウンロードをすすめるインタースティシャル広告

専用アプリのインストールをすすめるためにページ遷移時に表示する隙間広告により、サイトが非常に利用しづらくなっているケースです。一般的な小型広告と同じようなシンプルなバナーの設置をすすめます。

× 動画を再生できない

スマートフォン端末で再生できない動画がよく見かけられます。

すべての端末でサポートされていない動画形式は使用しないようにします。

× 不適切な相互リンク

PCページとスマホページを切り替える際、不適切なページにリンクを設定しているケースです。

スマートフォンで記事ページを見ていたのに、「PCに切り替え」をクリックするとPCのトップページに飛んでしまう場合などです。

対応するページにリンクを設定するようにしなければいけません。

× スマートフォンでのみ404エラーが発生する

PCで見るとページがあるのに、スマートフォンでアクセスするとエラーになってしまうサイトです。

スマホ対応していなかったとしても、エラーページよりはPCページを表示させる方が望ましいはずです。

× ページの速度

スマートフォン向けにページ表示速度を最適化することは、非常に重要です。

[参考:Google ウェブマスター向け 公式ブログ

フィーチャーフォンとは異なり検索が重要なスマホサイトにおいては、これらのSEO対策も重要になります

マルチデバイス全盛時代へ

これからのマルチデバイスは、スマートフォンやタブレットにとどまらず、家庭のリビングなどでインターネットを楽しめるスマートテレビや、屋外広告として注目を集めているデジタル看板や電子POPなどのデジタルサイネージ、眼鏡や腕時計と一体化したウエアラブル端末など、さらに多様化していくことは間違いありません。

 

新しいデバイスが出るたびにマルチデバイス対応に追われていたのでは、「企業としてWebサイトをどう使うか」という本来のWeb戦略にまで手が回らず、サイト改修費用だけがかかり続けることになります。

 

これからマルチデバイス対応を始めるなら、将来出てくるであろう新しいデバイスのことも視野に入れておく必要があります。

様々なデバイス

マルチデバイス対応の4つの手法

スマホファーストに舵を切る企業も出てきていますが、スマートフォンに絞ってしまうのは時期尚早という意見もあります。

一般的な企業サイトではやはり、スマートフォンだけでなく、PC、フィーチャーフォン、スマホ・タブレットを網羅したマルチデバイスへの対応が必要と思われます。

主なマルチデバイス対応の手法を紹介します。

手法1

各デバイスの専用サイトを個別に構築

PC/フィーチャーフォン/スマホ・タブレット向けのサイトを個別に構築する方法です。

デバイスごとに自由にコンテンツを構築できるので、ターゲットに合わせた情報発信ができます。

個別管理のため、構築・運用に高い負荷がかかります。

デバイスごとに構築メリット

  • デバイスに合わせたデザイン・レイアウト・情報発信が可能
  • 閲覧性、操作性が高いサイトを作ることができる

デメリット

  • 初期構築費用が高い
  • デバイスごとに更新する手間がかかる
  • サイト個別管理のため、マーケティングデータが分散される
  • 更新に専門知識が必要で社内運用が難しい
  • URLがデバイスごとに異なり、SEOに不利
  • 新しいデバイスが出る度にサイトの構築が必要になる

手法2

自動変換サービス

今あるサイトを、自動的にコンバートするサービスを使う方法です。

非常に簡単にスマホサイトができるのが魅力。

機械的な変換なので、後で手直しが必要になったり、肝心なコンバージョン部分が最適化されない場合もあります。

サービスにより金額や機能は様々なので、サイトの規模や目的にあったものを選びます。

外部サーバで変換メリット

  • 構築・運用が楽
  • 導入の手間、コストが低い

デメリット

  • 月額費用がかかり、PVによってはハイコストになる場合がある
  • 外部サービスを利用するため、表示に時間がかかり、動作が重い
  • デザイン性が低く、クオリティーが重要なサイトには向かない
  • デバイスに合わせた訴求ができない
  • サービスによってはデバイスごとにURLが異なり、SEOに不利
  • サービスによってはスマホとフィーチャーフォンのどちらかにしかコンバートできない

手法3

レスポンシブWebデザイン

1つのコンテンツデータを、アクセスされたデバイスの画面幅に合わせたデザインに出し分ける方法です。

Googleが推奨していることで最近注目されていますが、ワンソースというメリットが、逆にデメリットにもなり得ます。

既存サイトをそのままレスポンシブに移行できないケースが多く、新規やデバイス個別で作るよりも、設計・構築に費用と時間がかかる場合が少なくありません。

また、フィーチャーフォンや古いブラウザへの対応も難しくなります。

設計と構築技術が重要なので、経験豊富な制作会社・スタッフを選ぶことが大切です。

CSS・JSで表示を調整メリット

  • コンテンツの一元管理ができる
  • 端末機種が増えても、画面サイズの違いに対応できる
  • URLを一本化できるので、SEO効果が高い

デメリット

  • 設計構築に費用・期間がかかる
  • 構築後の改修や新規コンテンツ追加には、設計の変更が必要になる場合がある
  • PCサイトと同じデータを読み込むため、スマホでの表示に時間がかかる場合がある
  • 高い専門知識が必要なため、社内運用が難しい
  • デバイスや端末に合わせた訴求ができない
  • IE6などの古いブラウザやフィーチャーフォンへの対応が難しい
  • 画面サイズ振り分けの仕組みに合わない新しいデバイスが出た場合、設計の変更が必要になる
  • 動画などの特殊なコンテンツが、マルチデバイスで表示できない場合がある

手法4

CMSの導入

マルチデバイスに対応したCMSを導入する方法です。

サイトを一元管理しながら、デバイスごとにコンテンツを出し分けることができます。

Webサイトの基盤として使えばマーケティング的な相乗効果を得られ、戦略的な最適化をマルチデバイスで行えます。

また、サイトの管理・更新が社内で行えるようになるので、更新スピードがアップし、コストも削減できます。

オープンソースから商用まで様々なCMSがあるので、サイトの規模や目的を満たすものを選ぶことが重要です。

コンテンツやデザインは共有も出し分けも可能メリット

  • 一元管理しながら、デバイスに最適化したデザイン・レイアウト・情報発信が可能
  • プラグインやアプリケーションが豊富で、高機能な最適化ができる
  • URLを一本化でき、SEO効果が高い
  • コンテンツの更新・追加・管理を自社で行うことができるので、運用コストが削減される
  • CMS側でマルチデバイスや新しいデバイスに対応するので、専門知識や乗り換えが必要ない
  • 構築次第で、個別構築/自動コンバート/レスポンシブを融合させることができる
  • 大規模サイト、複数サイトに対応できる

デメリット

  • 初期導入・構築に費用と期間がかかる
  • 自社で更新・管理を行うので、CMSの機能を覚える必要がある
  • 保守契約を行う場合は運用コストが多少かかる
  • CMSによってはテンプレート以外のページが作りにくかったり、動的生成するため表示が遅い場合がある
  • CMSによってはメーカーサポートがなく、新しいデバイスには自社で対応しないといけない場合がある
  コスト 運用負荷 情報設計 ユーザーの
操作性
新しいデバイス
への対応力
【1】専用サイト個別構築 × × ×
【2】自動変換サービス ×
【3】レスポンシブWebデザイン
【4】CMSの導入

重要なのは、戦略的なWebサイト運営

主なマルチデバイス対応の手法を紹介してきましたが、企業によってWebサイトの規模や目的も異なり、どれが最適とは一概に言えません。

 

ただ、流行りの方法に飛びついたり、経験が少ない制作会社やSierが勧めるツールを比較検討しないまま導入したりする前に、Web担当者は、マルチデバイス最適化の主な手法と、各手法のメリット・デメリットを、おおまかな知識として持っておく必要があります。

 

しかしながら、企業側の構築・運用のメリットと、ユーザー側のメリットが必ずしも一致するとは限りません

サイトの規模と構築期間、予算に合わせた手法を選び抜いてマルチデバイス対応したものの、ユーザーの目的を果たせないサイト(ユーザビリティの低いサイト)になっていれば、二度と訪れてくれないかもしれません。

 

各デバイスの特性や使われ方をしっかりと考慮した上で、デザインだけではなく、情報までも最適化することが、ユーザーにとって一番望ましいと方法といえます。

 

何のために、誰のために行うのか、ターゲットやコンバージョンを明確にし、今後を見据えた「Web戦略の最適化」と、その結果としての「ROIの最大化」を実現できる「マルチデバイス最適化」の方法を見つけてください。

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